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2007年08月25日(土)

[買物|本] 薔薇色にチェリースカ

海原零さん「薔薇色にチェリースカ」(集英社スーパーダッシュ文庫)。 イラストはネツマイカさん。 670円で購入。

薔薇でチェリーでスカですよ。 いや別にそういう方向ではないです。 ヨーロッパ方面の架空の場所でのお話になります。 読者のいる世界とは細い糸でつながっているような気もするけど多分別の世界。 そこそこ長く続きそうなお話の導入部という感じで、世界の説明と登場人物の紹介が1巻の主なミッションになります。

緻密で繊細な世界設定を説明するだけでも大変そうなのに、そこをしっとりと、そしてがっちりと読ませる。 見事です。 登場人物がそれぞれどのような人間なのかはなんとなく掴めますが、なぜそのような人間になったのかについては謎のまま。 正直、まともな人間は一人もいないような気がするので、この世界の根幹に狂気を作り出す仕組みがあるのかもしれない。 全体を通して抑圧感と閉塞感を強調していると感じました。 イベントシーンでは必ず天井があるし、洞窟やら小部屋やらが多いし。 最終的にはいろんなことをひっくるめて「開放」してすっきりさわやかに終わってほしいけど、どうなるかな。

銀盤カレイドスコープ後期のような螺旋を描く華麗な文体を前面に押し出した表現はややしつこいような気がしないでもない。 私は好きだけど。 作者の脳内に既に完結まできちんとした道筋があるんだろうけど、設定が緻密であるがゆえに途中で市場の要求により軌道修正を余儀なくされちゃったりしたら世界観が破綻しそうで怖い。 例えば4巻あたりでテコ入れのため新キャラ投入しようとしても作品世界に隙間がないでしょう。 軌道修正しなけりゃいいんだけど、どうも今回は市場に合わせていくみたいだから心配。

チェリースカはアニメ化を目指すんじゃなくて、ゲーム化なんてどうですか。 ハイソな友人たちと優雅で楽しい学園生活。 マシュテバリ学園オンライン。 学園エヴァなみに本編から乖離した世界観にくらくらするんだ。

投稿者 ミキオ | 2007-08-25(土) 19:32:44 | [アニメ・コミック] | 2007年08月 | ツイートする

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